油溶性(油に溶けやすいタイプ)のビタミンC誘導体

テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)
脂肪酸と結合させたタイプのビタミンC誘導体です。脂肪酸は刺激性が低く、保湿力が高いため安心して利用できますが、分解された際はビタミンCと脂(脂肪酸)となるため、べたつきがあります。そのため、皮脂過剰が原因でニキビなどができやすい方は注意が必要です。

両親媒性ビタミンC誘導体

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na(アプレシエ/APPS)
最初に使用され始めた親油性の高い水溶性ビタミンC誘導体です。リン酸型のビタミンC誘導体に、パルミチン酸を付加しています。

従来のビタミンC誘導体の100倍の吸収率を誇ることからVC100とも呼ばれ、多くの化粧品メーカーが扱う大人気の成分となっています。

但し、非常に安定性が低いことから既に化粧水になっているものでは意味がなく、入手手段が少ないこと、毎回化粧水を原末からつくる手間がかかるというデメリットがあります。

ビタミンC誘導体配合の化粧水を選ぶ際のポイント

ビタミンCの効果を効率的に得るために、様々な物質を結合させたビタミンC誘導体は、何を結合しているかによってその性質や浸透性、安定性が大きく異なります。

ビタミンC誘導体が配合されている化粧水を選ぶ際は、以下の点を確認するようにしましょう

・成分表示
・配合量
・保管方法
・利用期限

安定性が高いものは他の化粧品類と一緒に保管、1ヵ月程度で使いきる、というのでも問題ないかもしれませんが、安定性が低いものは冷蔵庫などでの保管が必要となります。

また、酸化が進んでしまうとビタミンC誘導体の効果が期待できるどころか、肌に余計な負担をかけてしまうことになりかねません。期限の切れたものは勿体なくても処分しましょう。

配合量についても注意が必要です。高濃度で配合しているものがいいわけではありません。例えばリン酸型の水溶性ビタミンC誘導体(APSやAPM)は、刺激性や乾燥性が強いため5%以上の高配合のものを利用すると肌が乾燥し、荒れてしまうことがあります。

APPSも人気のビタミンC誘導体ですが、1%の濃度が限界で、それ以上の高濃度だと酸化が進み化粧品としての品質を保つことが難しくなります。どの成分をどれくらい配合したものがいいのかは肌質によって異なりますので、成分や配合量などは必ず確認し、自分に合ったものを使用するようにしましょう。